フクモモさんの思い出アルバム

フクモモさんの思い出アルバム

フクモモさんの思い出アルバム No.0055|あきがきたのっ?

風のにおいが少し変わっていた。夏のあまい香りの中に、どこか澄んだ音が混ざっている。フクモモさんとフラワック姉妹は、枝の先に揺れる柿色の葉を見上げていた。
フクモモさんの思い出アルバム

フクモモさんの思い出アルバム No.0054|ふしぎだったのっ

午後の空気は少し甘くて、光の粒が草むらの上で揺れていた。紫色の花々が風にそよぎ、その香りを追うようにフクモモさんとどりとりさんがやってきた。ふたりは顔を近づけて、じっと花を見つめていた。
フクモモさんの思い出アルバム

フクモモさんの思い出アルバム No.0053|みていたのっ

午後の風がやわらかく吹いていた。白い小花たちが、その風に合わせて小さく揺れ、まるでひそひそ話をしているよう。その中でフクモモさんとひげちょうさんが、並んで静かに見つめていた。
フクモモさんの思い出アルバム

フクモモさんの思い出アルバム No.0052|たのしかったのっ

午後の光が海面をきらきらと照らしていた。潮風の中を、フクモモさんとうたぎさんが仲良く飛んでいた。青と緑が溶け合う景色の上を、笑い声が小さく跳ねる。
フクモモさんの思い出アルバム

フクモモさんの思い出アルバム No.0051|いそがしそうだったのっ

岩のすきまに差し込む光が、ちいさな海の舞台をつくっていた。そのステージの主役は、ちょこちょこ動くカニさん。フクモモさんとうたぎさんが、息をひそめてのぞきこんでいた。
フクモモさんの思い出アルバム

フクモモさんの思い出アルバム No.0050|うごいていたのっ

夕方の潮だまりに、静かな光が差していた。波が引いたあとにできた小さな海の中で、フクモモさんとうたぎさんがしゃがみこんで覗きこんでいる。そこには、渦巻き模様の貝が、ゆっくりと動いていた。
フクモモさんの思い出アルバム

フクモモさんの思い出アルバム No.0049|かえってきたのっ

昼の光が海を照らしていた。波がゆるやかに盛り上がり、その上に、うたぎさんの小さな影がのっていた。フクモモさんは岩の上で目をまんまるにして、両手を胸の前でぎゅっと握っていた。
フクモモさんの思い出アルバム

フクモモさんの思い出アルバム No.0048|まってるのっ

朝の海は、少し冷たかった。波の音がゆっくりと岩に寄せては返し、光の粒が漂っていた。フクモモさんは岩の上で、背中を小さく丸めていた。そこへ、羽音がひとつ――ひげちょうさんがやってきた。
フクモモさんの思い出アルバム

フクモモさんの思い出アルバム No.0047|びっくりしたのっ

夕方の海は、まだ少し荒れていた。さっきまで穏やかだった波が急に息を吹き返し、白い泡が岩の上を走った。その真ん中で、フクモモさんとどりとりさんが声をあげていた。
フクモモさんの思い出アルバム

フクモモさんの思い出アルバム No.0046|みっ!?

白い波が突然立ち上がって、光を散らした。岩の上では、フクモモさんとうたぎさんが、しぶきを浴びて目を丸くしていた。風が笑うみたいに、潮の粒が空に舞い上がる。