⬆︎のアイキャッチは、DALL·E(ダリ)で元画像を補正し解像度を上げています。
元画像は、物語の最後で紹介させていただきます。
——夜明け前のフクモモ島。
潮風にまざって、古い写真を広げる音が聞こえた。
光の粒が一枚の写真の上に落ちると、そこにいたのはフクモモさんとうたぎさんだった。

ねぇ、見てよ、これ。
『さいていたのっ』ってタイトル、2009年9月20日って書いてある。
朝の6時50分…ずいぶん早起きだったんだね。

ああ、あの頃はよく朝露の中を歩いてた。
花びらに光がさして、まるで泣いてるみたいだったのを覚えてるよ。

うん…たしか、あのとき製作者さんが“もう少しで散っちゃうから急ごう”って言ってた。
だからぼく、風の背中に乗って追いかけたんだ。

それでレンズの向こうで、おまえが変な顔したんだ。
花に話しかけてたろ、“また来年会おうね”って。

えへへ、覚えてたんだ。
…でもね、あの花、本当に次の年も咲いてたんだよ。
もしかして、約束を覚えてくれてたのかも。

そうだな。約束を覚えるのは人だけじゃない。
自然も覚えてるのかもしれない。

…そうだといいな。
だってぼくたちの“11年後のレッドリスト”も、そんな約束の続きだからね。
消えかけた命を、もう一度呼び戻せたらいいなって。
潮の音がふたりの間にやわらかく流れた。
写真の中の光は、いまもあの日のまま咲いている気がした。
次は、どんな記憶があなたを呼ぶだろう。

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⬆︎の画像は当時の写真を「そのまま」使用しています。
画像の中のURLは、現在「https://ameblo.jp/fukumomo3/」に変更されています。



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