⬆︎のアイキャッチは、DALL·E(ダリ)で元画像を補正し解像度を上げています。
元画像は、物語の最後で紹介させていただきます。
午前の光が、まだ柔らかかったころ。
風にそよぐ彼岸花の群れが、赤い波みたいにゆれていた。
その波の上を、フクモモさんとどりとりさんが笑い声を散らしながら飛んでいた。

あーっ、思い出した!
これ、“あそんだのっ”の日だね。
ぼくら、朝から花畑で追いかけっこしてたんだ!

そうそう!
花のあいだをすり抜けるたびに、ぼくのしっぽが花粉だらけになっちゃってね。うたぎさんに“花の妖精か”って笑われたんだ。

ふふ、あの赤い色、まるで空の夕焼けを地面に落としたみたいだったよ。
写真の奥のぼく、ちゃんと写ってるかな?

うん、見て。羽がちょっとぶれてて、まるで風になってるみたい。
あの日は時間まで楽しそうに動いてた気がするな。

それにしても、あの花たち、ちゃんと今年も咲いてるのかなぁ。

どうだろうね。
でも…咲いてるといいな。
あの赤は“命のしるし”みたいだったから。
ぼくらの“11年後のレッドリスト”も、そんな命の記録を残していくものなんだ。もう二度と“思い出だけ”にならないようにね。
陽ざしの中、ふたりの笑い声が、花の香りといっしょに空へと昇っていった。
写真はもう古びても、その時間のぬくもりは今も生きている。
次は、どんな思い出が咲いているかな。

11年後のレッドリスト|サントメオナガモズ:名もなき風が、いまも彼の歌を運んでいる【IUCNレッドリスト比較】
サントメオナガモズ(Lanius newtoni)は、2014年、図鑑に【CR:深刻な危機】として分類されていました。2021年、IUCNレッドリストで、【CR:深刻な危機】と評価されました。つまり、2014年から2021年にかけて、サント...

⬆︎の画像は当時の写真を「そのまま」使用しています。
画像の中のURLは、現在「https://ameblo.jp/fukumomo3/」に変更されています。



コメント