⬆︎のアイキャッチは、DALL·E(ダリ)で元画像を補正し解像度を上げています。
元画像は、物語の最後で紹介させていただきます。
朝の海は、少し冷たかった。
波の音がゆっくりと岩に寄せては返し、光の粒が漂っていた。
フクモモさんは岩の上で、背中を小さく丸めていた。そこへ、羽音がひとつ――ひげちょうさんがやってきた。

……うたぎさん、まだ帰ってこないの?

うん。
さっき波の向こうまで行ったんだ。
貝が光ってるって言って…でも、もうだいぶたつのに。

潮の流れが強いからね。
少し遠くまで行っちゃったのかも。

心配でね。
でも、待つのも悪くないんだ。
波の音が“きっと帰ってくるよ”って言ってる気がして。

ふふ、波が言うなら間違いない。
うたぎさん、帰ってきたら“あの音、聞こえてた?”って聞いてみよう。

うん、そうする。
…こうやって誰かを待つ時間って、ちょっと寂しいけど、やさしくなれるね。

その気持ち、海も知ってると思うよ。

…そうだといいな。
“11年後のレッドリスト”も、帰りを待つ記録みたいなものなんだ。
いなくなった命を、ちゃんと迎えに行けるように。
波のきらめきが、ふたりの間にひっそり落ちた。
その光は、まるで「もうすぐだよ」と伝える手紙のように揺れていた。
次に見えるのは、再会の瞬間かもしれないね。

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⬆︎の画像は当時の写真を「そのまま」使用しています。
画像の中のURLは、現在「https://ameblo.jp/fukumomo3/」に変更されています。



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