⬆︎のアイキャッチは、DALL·E(ダリ)で元画像を補正し解像度を上げています。
元画像は、物語の最後で紹介させていただきます。
昼の光が海を照らしていた。
波がゆるやかに盛り上がり、その上に、うたぎさんの小さな影がのっていた。
フクモモさんは岩の上で目をまんまるにして、両手を胸の前でぎゅっと握っていた。

うたぎさん! ほんとに、波にのって帰ってきたのっ!?
まるで映画みたいだよ!

ああ。ちょっと潮に流されたけど、波がちゃんと岸まで運んでくれたんだ。
びっくりしたけど、気持ちよかったぞ。

海の神さまが“そろそろ帰りなさい”って押してくれたのかもね。
ほら、うたぎさんの耳にも、光がきらきらしてる。

おまえ、また妄想が始まったな。
でも……そうかもしれないな。
海の上にいたとき、不思議と怖くなかったんだ。

ね、海ってやっぱり優しいんだよ。
ちゃんと“帰る場所”を教えてくれるんだね。

そうだな。
待っててくれる誰かがいるって、いいもんだ。

うん。
“11年後のレッドリスト”もそうありたいな。
帰ってこられる命たちの場所を、もう一度つくるための地図みたいなものだから。
波の音が、まるで拍手のように岩を叩いた。
ふたりの影は、潮風にゆられて、ゆっくりと重なった。
次の波が運んでくるのは、どんな再会だろう。

11年後のレッドリスト|シチリアモミ:風だけが歳月を数えていた森の片隅で【IUCNレッドリスト比較】
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⬆︎の画像は当時の写真を「そのまま」使用しています。
画像の中のURLは、現在「https://ameblo.jp/fukumomo3/」に変更されています。



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