フクモモさんの思い出アルバム No.0053|みていたのっ

フクモモさんの思い出アルバム
⬆︎のアイキャッチは、DALL·E(ダリ)で元画像を補正し解像度を上げています。
元画像は、物語の最後で紹介させていただきます。

午後の風がやわらかく吹いていた。

白い小花たちが、その風に合わせて小さく揺れ、まるでひそひそ話をしているよう。

その中でフクモモさんとひげちょうさんが、並んで静かに見つめていた。


ねぇ、ひげちょうさん。
見て、この白いお花。
ちいさいけど、ひとつひとつ、ちゃんと息してるみたい。

……光の粒が、花びらの中で跳ねてるね。
ぼく、こういうの、好き。

わかるよ。
その光、なんだか時間をゆっくりにしてくれるんだ。
ぼく、気づいたらずっと見てたの。

風と一緒に咲いてるんだね。
音がないのに、歌ってる感じ。

うん。こういう静かな時間って、ほんとに特別だよね。
花の声、耳じゃなくて心で聞くんだよ。

……ぼくたちも、そういう声を届けられたらいいね。

うん。
“11年後のレッドリスト”も、そういう“見えない声”を集めてるんだ。
静かでも、確かに生きてる命の音。
ちゃんと、誰かに届くといいな。


白い花たちは、まるで微笑むように揺れていた。

その小さな命の群れを、ふたりはしばらく黙って見つめ続けた。

次に見上げる空の下にも、きっと新しい声が咲いているね。

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みていたのっ No.053 2009-09-23 13:19:46
⬆︎の画像は当時の写真を「そのまま」使用しています。
画像の中のURLは、現在「https://ameblo.jp/fukumomo3/」に変更されています。

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